世の中には、数多くのダイエットに役立つとされるサプリメントが販売されています。
特定のビタミンやミネラルなどの化合物を含んだものから、正体不明な輸入品など様々なものがあります。
それらの痩せるという効果は不確かなものが多いのですが、乳酸菌(ラクトバチルス)を含んだものは違うかもしれません。
この記事では、乳酸菌を経口摂取することで、なぜ血糖値が改善するのかを確かめた研究を紹介します。
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Reference:Duan FF., et al., Diabetes. 2015. Engineered Commensal Bacteria Reprogram Intestinal Cells Into Glucose-Responsive Insulin-Secreting Cells for the Treatment of Diabetes.
乳酸菌の摂取はインスリン分泌を増やして血糖値を30%低下させる
善玉菌と呼ばれる細菌を摂取することで、腸内環境が改善することは知られています。
具体的な効果として、食べた糖質や脂質の体内への過剰な吸収を抑制するため血糖値が下がるのです。
アメリカのコーネル大学(Cornell University)のJohn C. March教授らは、乳酸菌を経口摂取させることで、どれくらい血糖値が下がるのか実験を行いました。
糖尿病のラットに乳酸菌を90日間与えたところ、乳酸菌を食べなかった場合と比べて血糖値が30%も低下したのです。
同時に、血糖値以外の他の糖尿病指標数値も改善していきました。
では、なぜ乳酸菌を摂取すると糖尿病症状が抑えられるのでしょうか。
乳酸菌はGLP-1を増やしてインスリン分泌を回復する
教授らの研究によると、乳酸菌を摂取することで腸壁の細胞からGLP-1と呼ばれる物質が分泌されることがわかりました。
GLP-1とは、Glucagon-like peptide-1(グルカゴン様ペプチド)の略であり、この物質を膵臓が感知するとインスリンが分泌されます。
乳酸菌を飲むことでGLP-1が増えて、結果としてインスリンの量が増えることで、耐糖能の異常が改善されるのです。
糖尿病の患者さんは、血糖値をコントロールするためにインスリンの自己注射をしなければなりませんが、自分の体だけでグルコースのコントロールができるようになればインスリンの投与は不要になります。
まとめ
この記事では、乳酸菌を摂取することで血糖値が低下し、糖尿病症状が回復に向かうのは、インスリン分泌を促すGLP-1が健康になった腸の細胞から出るためという研究を紹介しました。
これまでは乳酸菌を摂取することで糖質や中性脂肪の吸収が緩やかになることはわかっていましたが、なぜ糖尿病症状がこれほど改善するのか説明しきれてはいませんでした。
この研究で、腸内環境が改善することで消化管ホルモンであるGLP-1の量が増えることで、自然にインスリンの量が増えて血糖値が正常に戻ることが解明されたのです。
乳酸菌を摂取することは、便通が良くなって便秘が治ることで、お腹や腰周りもスッキリとして体重も減らす副次効果もあります。
サプリメントを利用して簡単に乳酸菌を効率よく摂取することで、ダイエットに役立ててみることをおススメします。
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