癌が悪化する低糖質食事療法の嘘と本当の科学的根拠とは

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癌(がん、Cancer)は、悪性新生物とも呼ばれる腫瘍(しゅよう)であり、適切な治療を受けないと、体の中でガン細胞が増殖と転移を続ける病気です。

癌に対する治療方法の発達によって、外科手術・内科療法の成績は向上してきましたが、未だに完治しにくい病気です。

このため患者さんは、医師の指示以外に何か手段はないのか、自分たちでできる方法はないのかと、悩みを抱えています。

特に、治療方針を巡ってドクターとの信頼関係が失われてしまった方や、ご自身ではなく、ご家族が癌と診断された方は、不満や不安、心配に心を支配されてしまいます。

このような方向けに、毎日行う食事によってガンを治すという食事療法に関する本が毎年のように出版されており、一部の書籍はベストセラーにもなっています。

しかしガン細胞をなくすと言う食事メニューの中には、逆に癌を悪化させる危険性のあるものが含まれています。

Siyuan X., et al., Cell Met. 2017. Prevention of Dietary-Fat-Fueled Ketogenesis Attenuates BRAF V600E Tumor Growth.

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糖質をカットした低糖質食事療法が癌に効く理由とは

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癌が勝手に消えるという食事療法の中に、糖質を極端に減らす低糖質メニューがあります。

なぜ糖質制限によって癌が克服できるのか、それは癌組織がグルコース(ブドウ糖)だけを栄養源としているためです。

通常の組織と比較して、がん細胞が糖質のみを活発に利用して増えることは事実です。

これはワールブルク効果(Warburg effect)と呼ばれる現象であり、脳腫瘍を治療する際の食事内容に考慮されたり、それを利用したPET診断(ポジトロン)は、医療分野でも応用されています。

このため特別な低糖質食メニューやレシピを、高額な価格で販売している会社や施設もあります。

しかし全てのガンに対して、低糖質メニューは有効とは言えず、むしろ癌を悪化させしまうリスクのあることが明らかになりました。

メラノーマ、白血病、大腸がん、骨髄腫の一部は脂質を利用して増殖する

アメリカのジョージア州アトランタにあるエモリー大学(Emory University)のJing Chen 教授らのグループは、食事療法による癌細胞の増殖量を比較する研究を行いました。

教授らは、普通の栄養バランスの食事、低炭水化物食、高脂肪食を食べたときの、癌細胞の増殖スピートを比較する実験を行いました。

その結果、皮膚のガンである黒色腫(メラノーマ)の6割、有毛細胞白血病、大腸がんと骨髄腫の1割程度は、脂肪とケトンによって急激に増殖することが判明したのです。

ケトンは糖質を食べないときに脂肪から生成される化合物であり、普通の食事をしている場合と比べると、カロリーの90%を脂質から摂取する極端な低糖質メニューでは、癌細胞が4週間で2倍の大きさに成長することがわかりました。

教授らは、癌の種類によっては、食事中の脂質量を制限することが患者にとって有益であると考えています。

このため癌と診断され告知されたからと言って、必ずしも糖質オフしなければならないわけではありません。

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科学的根拠のある本当にガンにならない食事療法とは

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現在の科学知識では、ガンを完治させるキノコ、乳酸菌、活性酸素除去、ビタミン、ミネラル、水素水などの食事療法は存在しません。

しかしガンを予防できる食事メニューは、日本の国立がん研究センターから紹介されています。

これは実際に癌になった人、癌にならない人を食生活を数万人単位で比較分析した、確かな医学的研究成果を基にしたものです。

その食事療法の注意点は、以下の5つを守ることです。

①炭水化物、タンパク質、脂質のバランスを守る

②塩分は最小限に留める

③野菜や果物、食物繊維が不足しないようにする

④熱すぎる刺激の強い料理や飲み物を飲まない

⑤お酒のアルコールを飲んではいけない

特別なサプリメントを摂取しなければ、ガンを予防・治療できないわけではありません。

むしろリラックスして、好きな食べ物を美味しく楽しく食べることこそが、体力と気力を回復させる、がん治療には有効な食事療法なのです。

まとめ

癌は、医学的にも完治することはない病気であり、病変が見えなくなった寛解状態を目指して療養することになります。

このため長期間の治らない不安から、抗がん剤を拒絶して、食事療法にはまってしまう方が毎年数多くいます。

肉を全く食べないベジタリアン生活や、漢方薬を煎じた出し汁だけを飲むなど、少人数のがんサバイバーの方の経験談だけを根拠にした、効能の怪しい民間治療が広がっています。

なかでも癌細胞が糖質だけを栄養にするという現象だけを根拠にした低糖質食事療法は、ある種のガンを悪化させる危険性があります。

ガンを本当に治したいのであれば、早期診断と早期治療を超える手段は、今の所ありません。

予防のためには科学的根拠のある食事メニューに注意し、治すためには適切な医学的根拠のある治療を受けることをオススメします。

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