難病の下痢を治す便移植法の副作用は肥満?

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便移植の副作用

過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)菌による下痢症など、薬では完治しにくい胃腸の病気に対して行われる便移植法をご存知ですか?

これらの難病による長引く腹痛や下痢の原因は、腸内の細菌バランスが崩れ、免疫に過度の負担がかかっているためだと考えられています。

そこで健康な人(通常は肉親)の糞便から健康な腸内細菌を抽出して、患者の腸内に注入することで腸内の悪玉菌を抑え込むという治療として便移植法が始まったのです。

米国や欧州では一般的な治療方法であり、優れた治療成績(高い寛解率)を誇っています。

一方で便移植法による重大な副作用として、肥満が報告されています。
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Reference:Alang N., et al., Open Forum Infect Dis., 2015. Weight Gain After Fecal Microbiota Transplantation.

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細菌感染による下痢の治療法として便移植法を選択したある症例

アメリカのブラウン大学医学校(Brown Alpert Medical School)の Colleen R. Kelly准教授らは、便移植法を受けた患者の興味深い症例を報告しました。

長引く下痢とひどい腹痛に習慣的に悩まされていた32歳の女性は、クロストリジウム菌による感染症でありピロリ菌の感染も確認されました。

彼女は複数の抗生物質による治療を既に受けていたため、便移植法による治療を施されることになり、その提供者(ドナー)として16歳の娘が選ばれました。

娘は全くの健康体であり、悪玉菌を含む細菌を保有していなかったため、便の提供者として理想的だと考えられました。

ただ1点、太っているという点を除けば・・・。

肥満症の人の便を移植されると太る

合計で600mlの便を移植した結果、無事に彼女の下痢と腹痛は治りました。

しかし手術の後、彼女の体重がどんどん増加していったのです。

手術前にBMI26だったのに対して、手術の1年4ヵ月後にはBMI33まで肥満が進行しました。

その後の2年間のカロリー制限や運動療法など数多くのダイエットの努力にもかかわらず、彼女の体重はさらに増加を続けています。

これまでの研究においても、痩せている人の便を移植された患者が何もしないでも痩せていくこと、同じ生活をしている双子の兄弟でも腸内細菌バランスが崩れている方が太りやすいという事象が報告されています。

もし治療のために便移植を受けられる機会があるのであれば、ドナーはスリムな体形の方を選ばれることをおススメします。

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