セントジョーンズワートは鬱に効く?ハーブの効果と副作用や相互作用とは

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皆さんは、最近、気分がすぐれないと感じることはありませんか?

理由もないのに落ち着かない、なぜかイライラする、細かいことでもストレスを感じる、気持ちがスッキリしない、何にもやる気が起きないなど、いろいろな気分障害があります。

このような軽いうつ症状に対して、注目を集めているハーブ『セントジョーンズワート』です。

この記事では、セントジョーンズワートに関する情報として、歴史的な由来効果・効能に関する科学的根拠資料副作用重要な薬との相互作用による使用上の注意点について、ご紹介します。

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セントジョーンズワートとは、どんなハーブ?

セントジョーンズワート(St. John's wort, Hypericum perforatum)は、和名を西洋弟切草(セイヨウオトギリソウ)と呼ばれる植物です。

本来は、中央アジアとヨーロッパの一部にしか生えない固有種でしたが、近年はアメリカ、カナダ、アフリカ、中国、インドなどの気温が25℃以上になる温帯気候のある地域で育つようになり、特にオーストラリアで多く栽培されるようになっています。

名前の由来は、キリスト教の聖人の1人である聖ヨハネ(洗礼者ヨハネ)から来ており、6月24日のセントジョーンズデー(聖ヨハネの誕生日である祝祭日)頃に黄色の花が開花します。

欧米では、家の中に植物を吊るして飾る習慣がありますが、このセントジョーンズワートの学名もその風習から来ています。

ヨーロッパで何世紀にも渡って伝統的に使われているハーブ

セントジョーンズワートと聖ヨハネ教会

バプテスマの聖人ヨハネの名前がつけられた理由の一つとして、中世のイスラム教に対する十字軍遠征において、負傷した兵士たちの傷を癒やすために、聖ヨハネ騎士団が治療を行ったからだとも言われています。

2000年以上前の古代ギリシアでも、セントジョーンズワートの薬用価値が認められており、神経や気分の問題に使われていました。

昔から民間治療方法の一つとしてセントジョーンズワートは使われており、マラリア等の感染症や毒を持つ昆虫の刺し傷の鎮静に、また心の悪魔を追い払う目的で、幻覚や創傷治癒に用いられました。

実際にセントジョーンズワートの有効成分の一つとして、殺菌作用のある化学物質ハイパーフォリンが含まれていることが明らかになっています。

現代のドイツやアメリカにおけるセントジョーンズワートハーブの利用状況とは

イギリスではセントジョーンズワートを吊るして飾る

EU(ヨーロッパ)では、2004年にEU内の医薬品規約を改正して、伝統的ハーブ製剤の規定を設け、西洋ハーブ医薬品類として製造基準を遵守するよう定めていて、セントジョーンズワートはそのリストの中に含まれています。

欧州医薬品庁(EMA)が定めたリストには非常にたくさんのハーブが含まれていますが、エキアセアアロエジュウヤクノコギリヤシカモミール赤ブドウ葉のようなおなじみのサプリメントに使われる生薬スパイス類、複数の生薬を組み合わせた漢方薬についても、リストに挙げられています。

ヨーロッパ、特にハーブ先進国のドイツではハーブ療法が盛んに行われており、患者が「イライラするストレスを感じる体がだるいやる気が起きない」など軽いうつ症状を示したとき処方されるのがセントジョーンズワートで、1年間に医師により300万通もの処方箋が書かれています。

米国ではサンシャイン(sun shine)サプリメントと呼ばれNo1の売上を持ち、軽度から中度のうつ病や、更年期障害自律神経失調症不安神経症ストレスの緩和ダイエット時のイライラ感などに用いられています。

アメリカの場合は、製薬企業が製造する薬に対する不安・不満がある人や、高額の医療費の問題から経済的に最新の医薬を使って医療を受けるのが困難な人向けの、代替医療という側面もあります。

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そもそも、うつ症状って、どんな状態を指すの?

うつ症状とセントジョーンズワートの効果

うつ病は、毎年約1900万人(約10人に1人)のアメリカ人に影響を及ぼす、ありふれた病の一つです。

うつ症状は、気分思考身体的な健康行動に影響し、また重症度個人によって大きく変わります

主な症状としては、進行性の悲しい気分が継続する一度楽しんでいた活動の興味や喜びの喪失食欲または体重の有意な変化(痩せることも太ることもあります)睡眠が遅れたり眠れない興奮または異常な遅さエネルギーの損失無益な無気力または罪悪感集中や意思決定などの思考の難しさ死亡または自殺の再発などがあります。

うつ病はさまざまな形で起こりますが、 3つの主要な形式があります。

もちろん、それぞれの症状は、経験した症状うつ病の重症度によって人によって異なります

大うつ病(Major depressive disorder)

大うつ病では、人々は少なくとも2週間悲しい気分や興味や喜びを経験します。

さらに、うつ症状の少なくとも4つを有するとされています。

大うつ病は、それ自体が重度を示すのではなく、軽度中等度または重度といった状態があり得ます。

大うつ病が治療されない場合、症状は6ヶ月以上続くことがあります。

気分変調症(Dysthymia、ディスチミア)

気分変調症は、抑制性の気分が継続しておこる状態であり、あたかも暗い性格のように思われてしまうことがあります。

大うつ病より慢性のうつ病である気分変調症では、少なくとも2つのうつ症状を伴います。

少なくとも2年間(子供の場合は1年間)、うつ状態が続いていることが観察されます。

双極性障害(Bipolar disorder)

躁うつ病とも呼ばれる双極性障害において、抑制されたうつ病の期間と、興奮状態が交替する抑うつ症状の期間を有しています。

躁病の症状には、異常に高いレベルの興奮とエネルギー思考のレース衝動的で不適切な行動が含まれます。

一部の人々は、うつ病についての時代遅れの信念をまだ保持しています。

例えば、うつ病によって引き起こされる感情的な症状は「現実ではありません」。

しかし、うつ病は本当の病状です。

抗うつ薬や特定の種類の心理療法(会話療法)を含む従来の薬で、効果的に治療することができます

これらの病気に至る前の初期のうつ状態には、セントジョーンズワートのようなサプリメントによって改善が期待できます。

なぜセントジョーンズワートのサプリメントに効果があるのか?

セントジョーンズワートの脳内の働き

セントジョーンズワートの薬理学的な成分として、ハイパフォリンヒペリシンフラボノイドタンニンフラボノイドルチンケルセチンおよびケンフェロールなどが含まれています。

これらの成分のうち1種類だけを、含有量として表示してるメーカーも多いのですが、セントジョーンズワートの有効性メカニズムには不明な点も多く、これらの複数の生理活性物質が複雑に作用していると考えられています。

具体的な作用メカニズムとして、脳内のシグナル伝達物質であるセロトニンドーパミンノルアドレナリンγ-アミノ酪酸 (GABA)、グルタミン酸の取込みを阻害すると考えられています。

脳内の個々の神経細胞は、シナプスを通じて情報をやり取りしており、シナプスの間は接触しているのでなく隙間があいていて、神経伝達物質が分泌され、情報が伝達されています。

うつ病うつ症状がある人はシナプス間の神経伝達物質の量が少なくなっているため、セントジョーンズワートにはこの取り込み(再吸収量)を減らして、シナプスに働く神経伝達物質を増加させる働きがあるのです。

セントジョーンズワートの有効性に関する科学的データとは

セントジョーンズワートの医学的科学的根拠

うつ症状

2009年に行われた29の国際試験の系統的レビューから、セントジョンズワートはプラセボ(試験物質と同一であると思われる不活性物質)よりも優れていることが示唆され、軽度から中等度のうつ病に対する標準処方抗うつ薬として有効であると報告されています。

またセントジョンズワートは、標準的な抗うつ剤よりも副作用が少ないようであり、セントジョンズワートが医療従事者によって長い歴史を持つドイツ語圏で実施された研究において、米国を含む他の国で行われたデータよりも肯定的な結果が報告されています。

オーストリアのザルツブルク大学の発表によると、135人のうつ病患者を対象に行われた研究では、セントジョーンズワートを毎日900mg摂った人と、イミプラミン(抗うつ薬)を75mg摂った人が比較され、同等の効果を示したにも関わらず、セントジョーンズワートには副作用がほとんどなく、あっても軽微なものだったと報告されています。

ドイツの報告では、3250人のうつ病患者と、その担当医からの聞き取り調査では、セントジョーンズワートを摂ってから4週間後には80%の患者の症状が改善したとされています。

同じくドイツの報告では、うつ病患者105人を対象にした研究では、セントジョーンズワートはプラシーボ(偽薬)より250%高い効果をあげており、セントジョーンズワートを毎日900mg摂った人の67%4週間以内に劇的な改善を見たのに対して、プラシーボを摂った人は28%が改善を見たに過ぎなかったとのことです。

39人のうつ病患者を対象にした同様の研究では、70%の人が1ヵ月後に抑うつがなくなっていて、気分情緒恐れ睡眠障害頭痛心臓のトラブル疲労などの精神身体の症状が改善しており、最も効果があった症状は、活動力の欠如疲労消耗感睡眠障害であったと報告されています。

イギリスの1996年のブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal)の論文では、延べ1757人の患者を無作為に抽出して行った23の臨床試験を研究して、抗うつ薬としてのセントジョーンズワートの効果を要約し、抗うつ薬よりも多い55%うつの症状が改善し、抗うつ薬よりも副作用が少なかったと報告しています。

強迫性障害、強迫神経症(Obsessive compulsive disorder, OCD)

強迫神経症は、神経の衰弱状態において、特定のルーチンワークを繰り返し実行し、自分の思考や活動を制御することができない精神障害です。

強迫性障害と診断された12人の患者を対象に、1日2回0.3%のセントジョンズワード450mgの固定用量で12週間治療したところ、有意な変化が1週間以内に起こり、12週間の試験全体を通じて改善具合は増加し続けました。

試験終了時のエンドポイントでは、12人の患者のうち5人が臨床医評価CGIで「多かった」または「非常に改善された」と評価され、6名軽微な改善を認められたと報告されています。

月経前周期症候群(Premenstrual Syndrome, PMS)

セントジョンズワードは、慢性疲労およびホルモン不均衡などのPMS症状を緩和し、自然に治療するためにも使用されています。

英国の心理科学研究所で行われた研究では、軽度の月経前周期症候群と診断された18-45歳の女性36名に対して、1日900ミリグラムのセントジョーンズワート錠剤を投与し、うつ病攻撃性ホルモンバランスおよびホルモン刺激の感情について評価しました。

試験では、セントジョーンズワートが月経前周期症候群物理的および行動的症状を改善することが示されました、気分および疼痛関連のPMS症状の治療においては有意な効果はなく、研究者らは、PMSに関連する最も一般的な身体的および行動的症状について、セントジョンズワートを用いた毎日の治療がプラセボ治療より効果的であり、疼痛および気分の症状がより長く改善すると報告しています。

更年期障害(menopause)

閉経やその前後に発生する女性ホルモンバランスの変動によって起こる神経症の一種であり、中年期以降の女性男性に症状が現れます。

ドイツのベルリンで行われたAdvance in Therapyの論文によると、セントジョーンズワートを閉経の心理的および栄養的症状を軽減する薬草療法として試験し、43~65歳の111人の女性が900ミリグラムの錠剤を1日3回12週間服用しました。

治療成果を、アンケートである更年期評価尺度、および臨床全体的印象尺度によって評価したところ、心理的および心身の症状大幅な改善が観察され、更年期の愁訴は女性の76%で完全に消失していました。

季節性情動障害(Seasonal Affective Disorder, SAD)

季節性情動障害は、日光の欠如のために冬季に起こるうつ病の一種です。

脳内のセロトニンの不足によるものと考えられ、太陽光が急激に増加するに発生する夏型季節性情動障害(リバースSAD)も、近年問題になってきています。

季節性情動障害は、通常光線療法で治療されており、光線療法と一緒にセントジョンズワートを使用すると、冬の憂鬱感を打ち負かす方法として優れていると報告されています。

この他の症状について

神経痛についても、いくつかの予備的研究によって有効性が示唆されています。

ADHA(注意欠陥多動性障害)については、有効であるとする報告を見つけることができませんでした。

不安障害についても、有意差があるとするレポートはありませんが、ヨーロッパの医師が対策として処方することがあるため、、患者の役に立つと考えられています。

効かない、もしくは危険だとする研究

一方でセントジョーンズワートには、医薬品ほどの効果は無いとする論文もあります。

米国国立衛生研究所(NCCIH)、栄養補助食品局国立精神衛生研究所が主催した2件の研究では、セントジョンズワートも標準抗うつ薬も、2011年の研究では軽度うつ病の症状を、大規模な2002年の研究では、中等度の重篤なうつ病を治療するうえで、効果がなかったと報告されています。

また製薬会社のファイザー社が資金を提供した研究の結果は、セントジョンズワートがプラセボと比較して大うつ病の治療には有効でないとの報告(Shelton、et al。JAMA、2001)もあります。

また毒性危険性についても、報告されています。

2012年の中国の論文では、漢方薬に含まれるセントジョーンズワートなどの薬草について、医師が処方する医薬品衝突し、効果の減退副作用を引き起こす危険性があるとのデータが発表されました。

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注意しなければならないセントジョーンズワートの副作用とアレルギー反応

セントジョーンズワートの医師の診断

副作用アレルギー反応として、下記のような症状が現れることがあります。

不安めまい口が渇く気持ち悪い頭痛光感度落ち着き鎮静機能不全皮膚反応胃の不調胃の満腹感疲れ(疲労)大量の発汗などです。

最も多い副作用は胃腸の不調であり、セントジョーンズワートを服用すると1~10%の人に現れます。

この発生頻度は、医師の処方を必要とする抗うつ薬と比べて、とても低いものです。

また大半は、セントジョーンズワートの服用を止めることで、すぐに回復してしまいます。

なお摂取後に、車の運転機械の操作危険なものを取り扱うことは避けるべきです。

特にアルコールを含むお酒類でサプリメントを飲むと、さらに悪化する危険性があります。

そしてセントジョーンズワートサプリメントの投与量服用量は、ラベルや説明書の表示基準を必ず守って下さい。

多く飲めば強い効果が得られるというものではありませんし、むしろ副作用の危険性が高まります。

もちろん服用を止めても副作用が収まらない場合には、早急に医師の診断を受けるようにしてください。

思いもよらない病気が隠れている恐れがあります。

セントジョーンズワートと相互作用が起こる禁忌の薬

セントジョーンズワートと相互作用する薬一覧

平成12年に厚生労働省から、セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)と医薬品相互作用について、という資料が発表されています。

セントジョーンズワートのサプリメントを医薬品と併用する場合は、相互作用によって重大な副作用が出る場合があります。

特に下記の薬は相互作用によって、薬の効果半減したり、無くなってしまう恐れがあります。

インジナビル(抗HIV薬)ジゴキシン(強心薬)シクロスポリン(臓器移植後の免疫抑制薬)ワルファリン(血液凝固防止薬)経口避妊薬テオフィリン(気管支拡張薬)抗てんかん薬抗不整脈薬などです。

またSSRI抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)や、スマトリプタンなどの片頭痛に使用されるトリプタン薬は、追加的な影響を及ぼす可能性があります。

なお胎児幼児への安全性も確認されていないため、不妊治療をしている方、妊娠している方、母乳育児を計画している方は、セントジョーンズワートの服用をしないで下さい。

これ以外の医薬品にも、セントジョーンズワートと相互作用を起こすものがありますので、併用する前に必ず医師薬剤師など専門家に確認してください。

セントジョーンズワートの口コミ情報や評価・評判は?

セントジョーンズワート 口コミ評判

口コミサイトの評判を見ると、効果があったという人と、余り効かないという人に評価は分かれています。

Amazonや楽天のレビューを一覧に見てみると、症状が軽めの人には評価が高いのですが、深刻な状態になってしまっている方には、余り効果も感じられないため、オススメできないということです。

欧米でも対象となる症状は、初期のうつ症状とされていますので、過度の期待は禁物です。

また眠れないからセントジョーンズワートを飲んだが、不眠には効果がなかったという意見が散見されますが、セントジョーンズワートには、睡眠薬(睡眠導入剤)の様な眠りに誘う作用はありません。

気分が落ち着いてリラックスできるという効果と、眠たくなるという効果を取り違えたことが原因だと思われます。

むしろ脳神経の活動を活発化させる(興奮とは異なります)ため、逆に眠れなくなってしまうことが多いのです。

摂り始めて2週間以内に効果を実感できる方もいるようですが、多くの人は4週間~8週間かかるというレビューが多いようです。セントジョーンズワートが効果があるか判断するためには最低6週間は摂取したほうがよいでしょう。

日本国内では、各社からサプリメントが販売されており、DHC小林製薬ファンケル製の商品があり、アメリカ製Nature’s Wayの高濃度サプリメントの輸入販売もされています。

サプリメントではなくセントジョーンズワートをハーブティーとして飲む方法もありますが、ハーブティーの場合サプリメントと比べると効果は劣ってしまいます。

またアルコールでセントジョーンズワートを抽出した溶液も販売されていますが、やはりサプリメント用に抽出されたエキスに比べると有効成分は薄いものになってしまっています。

またセントジョーンズワートオイルも市販されていますが、こちらはマッサージ用であり、傷に塗ったり、間違って飲まないように注意してください。

まとめ

この記事では、初期のうつ症状改善に効果があるとする報告されているハーブ「セントジョーンズワート」を紹介しました。

セントジョーンズワートは、日本とアメリカでは栄養補助食品(機能性食品)に指定されており、ビタミンやミネラル、アミノ酸などと同じ取り扱いになっています。

このことは医薬品とは異なり、規制されておらず、疾患に対する補完的および代替的な医療療法の一つであることを指しています。

このため市販されているサプリメントの有効成分の量は様々ですので、 どれくらいの量があなたのタブレットに入っているかを注意してください。

また化学抽出されていない天然素材のセントジョーンズワートは、有効成分の含有量が梱包毎に異なる可能性があります。

信頼できるセントジョーンズワートサプリメントの購入には、amazon楽天市場をお勧めします。

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