その食欲は遺伝子のせい?MC4R変異による中枢障害とは

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食欲

お腹がすいていないのに食べたい。

痩せたいのに食べてしまう。

食欲が抑えられない。

人間の食欲は脳の報酬系と呼ばれる仕組みによって制御されています。

空腹のときはご飯を食べたくて仕方が無いのに、ある程度の食べ物を食べれば、それ以上はいらなくなるのはこのためです。

では、この仕組みがうまく働かないとどうなってしまうのでしょうか?

この記事では、肥満の遺伝的要因として研究が行われているMC4R遺伝子に変異があると、どんなときでも食べ物がほしくなってしまうとする研究を紹介します。
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Reference:van der Klaauw AA., et al., J Clin Endocrinol Metab. Obesity-Associated Melanocortin-4 Receptor Mutations Are Associated With Changes in the Brain Response to Food Cues.

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メラノコルチン4受容体(MC4R)とは

MC4Rは摂食行動、エネルギー代謝の制御、性衝動に関与している脳の中枢にある受容体です。

ある行動をしたら利益があるかを判定して、先に報酬を与えることで、その行動を起こしやすくする機能を持っています。

報酬とは脳内の快楽物質であるドーパミンなどを指します。

ヒトが太る原因として、カロリー過多、運動不足、そして遺伝子変異の3つがあげられます。

これまでの研究でMC4R遺伝子に変異があると過体重や肥満になりやすいことがわかっていました。

しかし、なぜそうなるのかは不明でした。

MC4R遺伝子に変異があると食べ続けても報酬が減らない

イギリスのケンブリッジ大学代謝研究所(University of Cambridge Metabolic Research Laboratories, MRL)のAgatha A. van der Klaauw博士らは、食べ物の写真を見たときの脳の報酬系の働きを調査しました。

対象として、

①標準体重:8名

②過体重・肥満:10名

③MC4R遺伝子変異を持つ過体重・肥満:8名

を選び、普通の食事やケーキなどのデザートの写真を見たときの脳の反応をMRI装置で解析しました。

その結果、②の遺伝子変異を持たない過体重・肥満の方たちの脳の反応は鈍かったのに対して、①と③の方たちは同程度の反応が観察されました。

これは、どういうことなのでしょうか?

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カロリーオーバーでも脳が報酬を用意してしまう

この研究では、①標準体重の方たちと③MC4R遺伝子変異を持つ過体重・肥満の方たちの脳は、食べ物を見たときに同じ反応を示しました。

過体重もしくは肥満になっていると体内に蓄積された脂肪によって必要以上のエネルギーを持っているため、体はそれ以上の食事をする必要がありません。

つまり食べ物を得る必要が無いので脳はその行動を促さなくても良いのです。

しかしMC4R遺伝子変異を持っていると、カロリーが足りないときと同じように脳は食べ物を食べる衝動を生じさせてしまいます。

これによりMC4R遺伝子変異があると、際限なく食べ続けてしまうと考えられます。

まとめ

この記事では、遺伝的な肥満の原因のひとつであるMC4R遺伝子に変異があると食べ物に対する衝動が減らないとする研究を紹介しました。

MC4R遺伝子変異がある方は肥満者の中でも1%程度だと考えられています。

この変異があると、まるで食べ物に追われ続けているかのように食事をしなければならない衝動にかられると言います。

今回の研究によって、この遺伝子変異と脳の反応に関連が見いだされました。

これによる新たな治療方法が早期に開発されることを願っています。

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