あなたが痩せるためには、摂取カロリーを減らすために、普段の食事を少なくしなければなりません。
でも、いつもより食べる量を減らすと、お腹が空いてしまいますよね。
実は、とても簡単な方法で、食べる量を減らしても、空腹感を感じないようにできるとしたら、どうしますか?
この記事では、最新の研究から明らかになった、「期待満腹感」と、それをコントロールする方法について、紹介します。
タマゴ2個分のオムレツと4個分のオムレツ、お腹が空きやすいのは、どっち?
フライパンで溶かしたバターの上に、あらかじめかき混ぜておいた生卵を注いで、半熟のまま巻けば、朝食にぴったりな美味しいプレーンオムレツの完成です。
ここに料理の材料として、卵を2個使ったオムレツと、4個使ったオムレツがあるとします。
どちらのオムレツを食べたほうが、早く空腹になると思いますか?
何を、あたりまえのことを質問しているのかと、思われるかもしれません。
もちろん卵2個分のオムレツを食べたほうが、短い時間でお腹がすいたと感じるようになります。
そして卵4個分のオムレツを食べたほうが、満腹感が長持ちして、お腹が減らなくなります。
たとえ、どちらのオムレツも、卵3個で作られていたとしてもです。
同じ量の食事をしても空腹感を感じてしまう「期待満腹感」とは
イギリスのシェフィールド・ハラム大学(Sheffield Hallam University)の Steven D. Brown 博士らのグループは、心理学的に空腹感や満腹感をコントロールする方法について、研究を行っています。
博士らは26人の参加者に、ある心理実験に参加してもらいました。
参加者は、1日目の朝食にタマゴ2個分のオムレツを出されて、2日目の朝食にはタマゴ4個分のオムレツを出されました。
タマゴ2つ分のオムレツを食べた日は、参加者は朝ごはんの2時間後には、お腹が空いたと言い始め、昼食を多めに食べていました。
タマゴ4つ分のオムレツを食べた日には、参加者は満腹感が長く続いて、お昼ごはんも少なめにしていました。
しかし参加者が食べたオムレツは、どちらも卵3つで作られたものであり、朝食の時に「これは卵2個分のオムレツです」「これは卵4個分のオムレツです」と、嘘をつかれたのです。
博士らは、この間違った食事の量を伝えられても感じてしまう満腹感を、「期待満腹感」と名付けました。
期待満腹感をコントロールする3つの心理学ダイエット方法とは
つまり人間は、物足りないと想像している量の食事をすると空腹感を感じて、多すぎると想像している量の食事をすると、お腹が減らなくなってしまうのです。
それは本当のカロリー量には無関係な、脳のエラーによるものなのです。
ですので期待満腹感を上手に制御してあげれば、空腹感に耐えなくても、食事の量を減らすことができます。
この期待満腹感をコントロールする3つの心理学的テクニックを、ご紹介します。
①本当は普通の量なのに大盛だと嘘をついてもらう
ご自身が料理する場合には使えないテクニックですが、食事を出してもらう時に、嘘の量を伝えてもらうことで、あなたの脳は、お腹いっぱい食べたと錯覚します。
実際は普通盛りなのに、大盛りだと言ってもらう。
少な目にしているのに、いつも通りの分量だと言ってもらう。
それだけで、あなたの期待満腹感は満たされて、本当はカロリーが減っていても、お腹が空かなくなります。
②料理を盛り付ける食器を小さいものに変える
大きなお皿に余裕をもって料理が載っていると、全部食べても物足りなく感じてしまいます。
少し小さめのお皿に山盛りに料理があれば、本当の量は少なかったとしても、あなたの脳は錯覚して、満足することができます。
盛り付けの際も、きっちりと盛るのではなく、白米であればふんわりとボリュームが増えるように、見た目の量を増やすことで、カロリーを減らしても満腹感を感じるようになります。
③かさを増す食材を使う
見た目の量を増やすことで、実際のカロリー量が増えていなくても、お腹いっぱいになったと感じることができます。
難消化性デキストリンなどの食物繊維を料理に加えたり、コンニャクや寒天などゼロカロリーの食材を混ぜたり、水を吸収して膨らむチアシードやバジルシードなどのスーパーフードを使うことで、期待満腹感を得ることができます。
食物繊維を多くとることで、血糖値の上昇を抑えたり、腸活にも役立つので、ダイエットの相乗効果が期待できます。
まとめ
この記事では、同じ量の食事を食べていても、少ないと思い込むと空腹感を感じ、多いと思い込むと、お腹が減らないという「期待満腹感」についての研究を紹介しました。
博士らは、実験の参加者の血液を採取して、お腹が空いたときに増えるグレリン(飢餓ホルモン)の量を測定しましたが、タマゴ2つ分、4つ分のオムレツを食べたどちらの日でも、ホルモンの量は変化していませんでした。
(同じ卵3つ分のオムレツを食べているのだから、当然です)
でも卵2個分のオムレツを食べたと思い込んだ参加者は、お腹が減っていないのに、食べる量が足りない、お昼ごはんをたくさん食べなければと、思い込んでしまったのです。
このように人間の思い込みの力はとても強いため、これをダイエットに活かさない手はありません。
認知心理学を利用して、食事の量を勘違いさせるためには、
- ご飯の量を嘘ついてもらう
- 食器を小さくする
- 食物繊維など増量する食材を使う
の3つの方法があります。
この心理学テクニックを利用して、空腹感を我慢しない減量に取り組んでみましょう!!