肥満にも関係する、むずむず脚症候群とはどんな病気?

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夜になると足がムズムズする、かゆい、アリやミミズのような虫が這っている嫌な感覚がして、眠ることができない日は、ありませんか?

それは、むずむず脚症候群(restless legs syndrome, RLS)と呼ばれる病気かもしれません。

むずむず足症候群は、日本では慢性的な睡眠不足につながる病として、また男性よりも女性の方がなりやすい病気として、広く知られてきました。

この病気はアメリカでは無視されてきた症状でしたが、近年の調査では米国人の10人に1人が、むずむず脚症候群であるとも考えられており、注目を集めた医師の名前からエクボン症候群(Ekbom syndrome)とも呼ばれています。

この病は400年以上前の17世紀から知られていましたが、病気になる原因や、なぜ発症するのか、完全には解明されていませんでした。

しかし最新のデータベースを利用した研究によって、ある特定の遺伝子に、その原因が隠れていることが明らかになったのです。

Lane JM., et al., Nat Genet. 2016. Genome-wide association analyses of sleep disturbance traits identify new loci and highlight shared genetics with neuropsychiatric and metabolic traits.

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むずむず脚症候群による睡眠障害は、肥満、うつ症状、精神疾患、早死に影響する遺伝子が関係している

イギリスのマンチェスター大学(University of Manchester)Martin K Rutter 講師らのグループは、睡眠障害と健康状態に関係する遺伝子を調べていました。

眠れないことは、肉体的にも精神的にも大きな負担をもたらします。

夜の適切な時間帯から朝まで十分な時間の睡眠を取れないことは、昼間の眠気だけではない、様々な病気を引き起こす危険な状況なのです。

講師らは、英国遺伝子バイオ銀行から11万人以上の情報を入手し、睡眠状態の悪い人々の生活習慣と遺伝子の違いを分析しました。

その結果、むずむず脚症候群になって夜に眠れない人の遺伝子には、他の人にはない特徴が見られ、同時に肥満やうつ症状、精神疾患、早期死亡になるリスクが高いことが判明したのです。

診断の難しいむずむず脚症候群の効果的な治療方法

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夜眠れない方が受診する病院は、内科、心療内科、精神科があります。

一方でむずむず脚症候群は、足と病名に付いていますが、必ずしも下肢にだけ症状が現れるわけではありません。

腰や背中、手や腕などの上半身に痒みや違和感を感じる人も多いため、全身に症状が現れると、皮膚科などを受診してしまい、むずむず脚症候群とは判断しにくいこともあります。

アメリカでも、むずむず脚症候群の診断のつけにくさは問題になっており、ストレスや緊張によるもの、整形外科の関節炎や筋肉症状、または単なる老化現象だと誤診してしまう怖れがあります。

ただし、むずむず脚症候群にはドーパミン神経受容体に作用する薬による治療が効果的であり、保険適用されている薬も多いため、診断が確定して処方箋さえもられば軽快する病気でもあります。

マッサージやスキンケアオイルなどの民間療法では完治しませんので、早期の受診をオススメします。

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まとめ

この記事では、むずむず脚症候群が睡眠不足につながり、肥満やうつ症状、精神疾患につながるのではなく、睡眠不足になりやすい遺伝子を持っていると、むずむず脚症候群にかかりやすいという研究結果を紹介しました。

この遺伝子があると、睡眠不足だけではない、肥満やうつ症状、精神疾患などの病気になる危険性が上がります。

世界全体では、数千万人が何らかの精神疾患に罹患していると考えられており、WHOの調査では大人の39%がBMI25以上の太りすぎ、13%がBMI30以上の肥満だとされています。

今回の特定遺伝子異常の発見は、睡眠と肥満、心の病気の単純な関係の証明だけではない、この遺伝子部分を標的にする新しい治療薬の開発にも役立つと考えられます。

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