なぜ不安に思うほど認知症が進んでしまうのか

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軽度認知機能障害

軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment,MCI)とは、認知症(痴呆)を発症する前段階と考えられています。

認知機能の低下が見られるものの、それが加齢によって起こる正常な範囲での衰えなのか、それとも認知症を発症しつつある知的グレイゾーンなのか不明な状態を指します。

物忘れが多くなるけれども認知力は落ちていない健忘症型の軽度認知機能障害の患者さんの場合、これからアルツハイマー型などの認知症に進行していく方と、老化に由来する正常なレベルでの認識能力低下にとどまる方がいらっしゃいます。

病気になるのか、ならないのかの違いは何が原因となるのでしょうか。

この記事では、不安な気持ちを抱え続けていることが、軽度認知機能障害を本当の認知症に進行させると言う研究を紹介します。

Reference:Linda Mah, et al., The American Journal of Geriatric Psychiatry, 2014, Anxiety symptoms in amnestic mild cognitive impairment are associated with medial temporal atrophy and predict conversion to Alzheimer’s disease.

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不安に思えば思うほどアルツハイマー型認知症の症状は悪化する

うつ病と認知症には関係があることが分かっています。

うつ病にかかっている患者さんは、ぼけや痴呆症状になりやすいため、精神面の状態が脳機能の健康に影響を与える可能性があると考えられています。

カナダのトロント大学(University of Toronto)のLinda Mah医師らは、どのくらいの不安を抱えているかが、軽度認知機能障害がアルツハイマー型認知症まで進行する原因になっているのではないかと考え調査を行いました。

55歳から91歳までの軽度認知機能障害の患者さん376名を対象に、質問による不安の程度の情報と脳検査を半年毎に3年間続けました。

その結果、3段階の不安レベル(軽い、中程度、深刻)に応じてアルツハイマー型認知症を発症する確率が増えることが判明したのです。

軽い不安を抱えているとリスクは1.33倍に、中程度の不安なら1.78倍に、深刻な不安で悩んでいると2.35倍まで増加してしまっていました。

ではなぜ、不安を感じていると軽度な認識障害が認知症にまで発展してしまうのでしょうか。

不安定な精神状態は脳の海馬や扁桃体を萎縮させる

ずっと不安を感じていると、脳の記憶を司る領域である海馬や扁桃体を縮ませてしまうことがわかっています。

この2つの領域は情動反応や記憶の形成、再生の働きを担っています。

認知症を発症している患者さんの脳では、この2つの領域がとても小さくなってしまっています。

不安を抱えていることの相乗効果によって、軽度な認知症であっても、前段階から加速的に発症にまで至るのだと考えられます。

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まとめ

この記事では、不安を抱えていると、うつ病とは独立したリスクとして、認知症になる原因になってしまうという研究を紹介しました。

歳をとることによる能力の低下は、どうしても将来を不安に感じさせる原因になります。

しかし、それを単なる老化と考えるのか、加齢による成長の機会と考えるのかは研究者の間でも議論があります。

運動や食事など生活に関連する様々な行動は、精神的な問題を解消するのに役立ちます。

自分だけで悩まずに行動することで不安を解消して認知症の発症を予防しましょう。

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