毎日部活が忙しすぎて、勉強する時間がない。
運動で疲れてしまって、家に帰っても教科書やノートを開く気も起きない。
部活が厳しすぎるから、受験勉強に集中できない。
そんな誤解をしていませんか?
この記事では、継続的な運動習慣のある10代の若者の脳回路は、スポーツをしない文化部のような活動の学生の脳と比較して、意思決定、計画立案、集中力に優れているとする研究を紹介します。
10代で1年以上のスポーツ経験があるとライバルよりも知能レベルが向上する
体と頭を同時に使うことで、脳の神経構造自体が改良され、認知機能レベルも高まることが分かっています。
では部活の運動のような、毎日継続する反復練習の多い、ある意味退屈な活動は、特に若い脳にどのような影響を与えるのでしょうか?
アメリカのアリゾナ州立大学(University of Arizona)の David Raichlen 准教授は、少なくとも1年以上の定期的な運動を行っているグループと、スポーツ経験に乏しい運動不足のグループの脳活動を、MRIスキャンによって測定しました。
その結果、継続して運動している持久力のあるスポーツ選手たちは、大脳の前頭葉が発達していることが明らかになりました。
この前頭葉は、長期的な予定を計画する力、瞬間的な判断力、些細な変化に気づく注意力に関係する、脳の大切な部分です。
運動系の部活に所属して体を動かす経験を積むことで、脳の神経回路を効率の良い形に作り替えることになり、単なる知識ではない真の頭の良さを手に入れることができるのです。
頭を賢くすることができるオススメの球技とは
陸上競技や水泳、筋肉トレーニングや普通の走り込みであっても、毎日継続し続けることで、知能を向上させることができます。
さらに脳の回路網を複雑に形成させるためには、複数の動作を組み合わせなければならない種目がオススメです。
野球やサッカー、バスケットボールやバレーボール、ゴルフやテニスなどの球と用具を使うスポーツの方が、柔道や相撲、空手などの体一つで行う伝統的な格闘技と比べて、効率が良いと考えられます。
また文化系の部活であっても楽器の演奏など、複数の指を同時に使いながら、音程やリズムを調節しなければならない複雑な行動を行うことで、脳の機能を高めることができます。
まとめ
この記事では、勉強との両立が難しいと思われている部活動をまじめに取り組むことで、学校の学習や受験勉強の役に立つだけではない、本当の知能を高めることができるという研究を紹介しました。
年を取ると脳の活動が衰えてしまうため、このような運動による脳機能の再活性化研究は数多く行われてきていますが、この研究は若年層の頭の良さにスポーツが比例しているという珍しいデータを提供しています。
10代の学生時代に部活に取り組むという行為そのものが、知能を向上させて勉強との両立を可能にするのです。
中学や高校、そして大学の部活に積極的に参加することで、単なる暗記頼りの頭の良さではない、真の知能指数を手に入れてみませんか?