なぜ筋トレ後に風邪を引きやすいのか? 科学的な予防法の根拠とは

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「今日は、トレーニングでいい汗をかいたな。体を冷やさないようにしないと、風邪をひいてしまう」

「きつい練習をすると、喉が痛くなる気がする。気管が弱いのかなあ」

高負荷のトレーニングをした後に、咳が出たり、喉がイガイガしたり、風邪を引きやすいと感じたことはありませんか?

原因として思い込まれている、乾燥した空気や冷たい気温、疲労による体力の減少などは、最新の研究で間違いであることがわかってきました。

この記事では、激しい筋トレをした後に、なぜ風邪やインフルエンザといった気管支の感染症にかかりやすいのかという理由と、その予防方法を科学的根拠を基に紹介します。

Reference:Peake JM., et al., J Appl Physiol. 2016. Recovery of the immune system after exercise.

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激しい運動は筋肉を損傷させるため、肺と皮膚の免疫細胞が移動してしまう

定期的な運動の習慣は、体の免疫システムを活性化させて、肥満や糖尿病、心筋梗塞や脳卒中と言った致死的な病気のリスクを下げることがわかっています。

一方で、体力を使う高強度のエクササイズを行った直後に、風邪やインフルエンザといった病気にかかりやすいということも、アスリートの中では感覚的に知られていました。

オーストラリアのクイーンズランド工科大学(Queensland University of Technology)の Jonathan Peake 博士らのグループは、なぜ筋肉に高負荷を与えるトレーニングをした後に、肺などの呼吸器感染症になりやすいのか、調査を行いました。

博士らは、トレーニングによって免疫機能に異常が生じているのではないかと予想し、運動後のスポーツ選手の免疫細胞の数と体内の存在場所を分析しました。

その結果、トレーニングによって全身の免疫細胞数は増加していたものの、そのほとんどがストレスを受けた筋組織に移動しており、体外の空気と接触する気管支表面からいなくなっていることが判明したのです。

気管支表面にいる免疫細胞は、風邪やインフルエンザなどの原因となる、細菌やウイルスを捕まえて、体内への侵入を防ぐ働きがあります。

この免疫細胞が、トレーニングによって損傷を受けた部位を治療するために引っ越してしまうことで、感染症に対する防御手段がなくなってしまうため、きつい練習後に風邪を引きやすくなってしまっていたのです。

では、この免疫細胞の不足を抑えて、病気を予防するためには、どうすればよいのでしょうか。

トレーニング直後に炭水化物を補給して血糖値を安定させるとストレスが緩和される

この答えは、筋トレ直後に炭水化物(糖質)を補うカーボローディングにあります。

すぐに消化されて血液に取り込まれやすい糖質(バナナやスポーツドリンク、グルコースゲル)を運動後に摂取することで、損傷した筋肉に栄養が行き渡り、ストレス反応が抑制されます。

これにより筋肉周辺に動員された免疫細胞が開放されるので、免疫機能をすみやかに正常値に戻すことができるのです。

運動後の免疫力低下による風邪を予防するためには、運動後少なくとも30分以内のエネルギー補給が必須となります。

思わぬ病気のリスクを下げるためにも、筋トレ後の糖質補給を徹底し、体調管理に気をつけることをオススメします。

まとめ

この記事では、高負荷のウェイトトレーニングや持久力強化トレーニングを行うと、免疫細胞が筋肉周辺に移動するため、呼吸器系の免疫が弱まり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるという研究を紹介しました。

この免疫力を早期に回復させるためには、運動直後から30分以内に吸収しやすい糖質を補給することです。

血糖値を正常レベルに戻すことで、損傷部位のストレス応答が緩和されるので、集められた免疫細胞も、元の気管支周辺に戻すことができます。

せっかくのトレーニング成果を、風邪で寝込んで無駄にしてしまうことがないように、筋トレ後の糖質補給を欠かさないようにしましょう。

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