自閉症(Autism)は、コミュニケーションや社会性に問題を起こす精神障害の一種です。
自閉症の赤ちゃんは、「母親と目を合わせない」「言葉の発達の遅れがある」「ある特定のものに熱中し執着する」といった特徴的な症状を示します。
自閉症は先天的な脳機能の障害によって起こると考えられており、複数の遺伝子変異が研究によって発見されています。
このため出産後の育て方や扱い方に問題があって、自閉症になるわけではありません。
しかし最新の研究では、母体が妊娠7ヶ月目までに妊娠糖尿病だった場合、胎児が自閉症になる確率が高いことがわかってきました。
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Reference:Xiang AH., et al., JAMA. 2015. Association of maternal diabetes with autism in offspring.
太ったまま妊娠すると子どもが自閉症になりやすい
母親が肥満の場合、赤ちゃんの乳幼児突然死症候群のリスク増加など出産後に数多くの悪影響があることがわかっています。
アメリカのカイザーペルマネンテ医療協会(Kaiser Permanente Southern California)のDarios Getahun博士らは、妊婦の糖尿病と乳児の自閉症発症に関係がないか調査を行いました。
博士らは、医療協会で1995年から2009年までに出産した母親と子ども322,323人のデータを調べました。
この内の1.05%にあたる3,388人が、自閉症を発症していました。
健康な母体から産まれた赤ちゃんが自閉症になる確率と比べると、母親が妊娠前から糖尿病を患っていた場合、1.59倍もリスクが高くなることがわかったのです。
さらに妊娠26週目(7ヶ月)までに妊娠糖尿病を発症していた場合、1.63倍も赤ちゃんが自閉症と診断される割合が増加していたのです。
糖尿病は脳にダメージを与えて認知機能を低下させる
糖尿病は血中の糖分がうまく消費されずに高血糖状態が続く病気です。
血糖値が高いと認知機能の低下や痴呆の危険性が高まることがわかっています。
妊娠26週目以降に妊娠糖尿病を発症しても、また危険そうなタバコの喫煙によっても、自閉症に関するリスクは増えてはいませんでした。
胎児の脳の発生段階での大量の糖が、何らかの機能障害をもたらしてしまう可能性があります。
では妊娠糖尿病を防ぎ、赤ちゃんの自閉症の発症を予防するためには、どうしたらよいのでしょうか?
妊婦の肥満を予防するおすすめのマタニティ運動
糖尿病の発症を予防するためには、皮下脂肪ではなく内臓脂肪を減らす必要があります。
内臓脂肪を減らす最も効果的な方法は、有酸素運動を行うことです。
しかし妊娠を期待されている方や、妊娠初期の方に過度な運動は難しく、流産の危険もあります。
妊婦の方にオススメで脂肪燃焼効果の高いマタニティ運動には、次の3つがあります。
マタニティウォーキング
20分から30分の軽い散歩を、朝夕2回行いましょう。
背筋を伸ばして手を振って、正しい姿勢を維持してウォーキングすることが重要です。
日中の炎天下で歩く場合、水分補給を忘れずに脱水症状や熱射病に注意しましょう。
マタニティヨガ
妊婦さんのためのヨガ教室は数多くあります。
全身の柔軟性を高めながら、必要な体幹の筋肉を鍛えられるヨガは、ダイエットだけではなく出産の体力をつけるためにもオススメです。
体の硬い方は最初から無理をせずに、少しずつ関節を柔らかくしていったほうが良いでしょう。
マタニティスイミング
浮力で体重の影響を受けない水泳は、運動不足や運動嫌いな妊婦さんにオススメの有酸素運動です。
全身の筋肉と体力をあわせて鍛えることのできるトレーニングであるスイミングは、運動慣れしていない方でも続けやすいものです。
普通のプールの冷たい水や激しい泳ぎ方は、もちろん母体のダメージとなりますので、マタニティスイミングのスクールに入られることをオススメします。
まとめ
この記事では、妊娠前から糖尿病であったり妊娠7ヶ月目までに妊娠糖尿病を発症すると、赤ちゃんの自閉症リスクが高いという研究を紹介しました。
糖尿病の予防には、有酸素運動を行って内臓脂肪を減らすことが重要です。
お母さんが健康な体を保つことができれば、赤ちゃんが自閉症になる危険を減らすことができます。
妊婦さんのためのマタニティ運動は、軽い有酸素運動でもダイエット効果の高いものです。
子どもの将来や未来のために、今からダイエットを始めておきませんか?