裸足で走るベアフットランニングは怪我を予防してタイムを縮める効果がある?

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ベアフットラン

ベアフットランニング(barefoot running)という走り方が注目を集めています。

ベアフットとは英語で裸足を意味していて、素足で走る、もしくは裸足のような感覚の5本指の靴(ファイブフィンガーシューズ)や底と踵部の薄い(ミニマル)シューズを履いて走るランニング方法のことです。

人は裸足で生まれてくるため、靴は不自然なものであり、裸足で走ることが人間本来の正しい自然な走り方(ナチュラルランニング, natural running)である。

ベアフットランニング推進派の意見によれば、裸足で走ることで健康になり、骨や関節のケガを予防して、さらにフルマラソンのタイムを短縮できると言います。

これらの主張は、本当に科学的な根拠のあるものなのでしょうか?

この記事では、ベアフットランニングの効果を検証し、始め方とトレーニング方法を紹介します。

by Dave Goodman

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ベアフットランニングの正しい効能と本当の効果とは

裸足で走ることによる効果については、ネットで検索してみても数多くの説があります。

これらの説を調査してみると医学的に見ても正確なもの、間違っているもの、勘違いされているものが混じっていることに気づきました。

そこでベアフットランニングの効能や効果の何が正しいのかを検証してみます。

ベアフットランニングは着地の衝撃が少ない

ベアフットランニングでは踵(かかと)ではなく指の付け根(母指球)の辺りで着地するため、着地の衝撃を吸収して減らすことができます。

踵から着地すると地面からの衝撃が、かかと→足首→膝→股関節→腰に直接伝わってしまうので、指の付け根から着地してふくらはぎの筋肉によって力を分散させる裸足の方が衝撃が少ないというのは、科学的に見ても正しい意見です。

しかし、ここから派生する次の2つの意見には間違いと勘違いが含まれています。

普通のランニングシューズの方が怪我をしやすい

踵から着地すると衝撃が関節に伝わるため、踵から着地する普通の走り方やランニングシューズの方がケガをしやすいという意見は間違いです。

現代のランニングシューズは踵部に高性能な衝撃吸収素材を使用しているものが多く、踵から着地しても衝撃をほとんど吸収してくれます。

靴が高性能すぎるからケガが悪化するまで気づけないという意見もありますが、それは走り方というよりも自身の体調を管理できていないというランナー本人の自覚の問題ではないでしょうか。

日本人ランナーは特に自分をストイックに追い込んでしまう傾向がありますが、アスリートとしてそれが本当に成績に結びつくものなのかという点について自問する必要があると思います。

ベアフットランニングはケガの予防に適している

ベアフットランニングはケガの予防に適していると言われますが、これはある勘違いをしていると思われます。

指の付け根辺りで着地するには、ふくらはぎだけではなく足首や膝関節周囲の筋肉とバネを使わなければなりません。

確かに足首や膝関節の周りを筋肉で固めることで、横方向の動きなど予期しない負荷によって捻挫したりひねったりする危険性は減らせるでしょう。

しかし、そのような状況になることこそ、ランナー自身が満足に走ることができないほど疲労しているという証明に他なりません。

また慣れない裸足でのランニングは普通のランニングよりも注意深く慎重になるため、無理をしないで怪我や故障を避けやすいことは確かですが、普通のランニングよりもベアフットランニングの方が故障の予防に適しているというのは少し言いすぎであり意味が異なると思います。

ベアフットランニングは故障のリハビリに優れている

一方で故障を抱えている方にとっては、裸足でのトレーニングが回復の助けになることは確かです。

素足で芝生などの柔らかい地面を踏みしめることは、足の感覚を高めて、ランニングに特化した筋肉をバランスの良い筋肉に変えるのに役立ちます。

普段のランニングで使っていない筋肉を鍛えることで、怪我をしている部分の負担を減らすことができます。

またインナーマッスル(体幹の筋肉)も鍛えられるため、全身のバランス感覚が向上して、故障箇所をかばう様な乱れた体幹のずれを修正することができるのです。

しかし、この全身の筋肉のバランス調整と筋力強化はタイム短縮といった成績には悪影響をもたらします。

ベアフットランニングはマラソンのタイムを短縮する

裸足のトレーニングを行うことで、普通のランニングシューズを履いて行っていた練習とは別の筋肉が鍛えられますが、これによって競技の成績が改善するというのは間違いです。

特にマラソンにおいては何よりも走る際のフォームの安定性が求められますが、普通のフォームとベアフット用フォームの2種類の練習をすることは、正しいフォームの維持に悪い影響を与えます。

練習をつんできたランナーにベアフットランニング用のフォームを習得させると、タイムが落ちたという研究もあり、フォームの改善は余り良い結果をもたらしません。

この悪影響は特に長年トレーニングを積んできた真面目なランナーに大きく、10年以上の練習を続けてきたランナーが成績を向上させたいがためにベアフットトレーニングを行うと、タイムが落ちてケガをしやすくなったという報告がありました。

ベアフットランニングを始めるべき人と止めるべき人とは

以上のベアフットランニングの正しい効果と効能を考慮すると、素足での練習をした方が良い人とダメな人がわかってきます。

ベアフットランニングをオススメするのは、現在ケガや故障を抱えていて回復を優先したい人、全身の筋肉をバランスよく鍛えることでダイエットしたい人、特殊な例ですがトレイルランニングなどの悪路を走破することを目的とする競技を行われる人などです。

ベアフットランニングをオススメしないのは、経験を積んだランナーであり競技の成績を向上させたい人、怪我をしがちだけれど練習を休みたくない人などが挙げられます。

ベアフットランニングはナチュラルランニングとも呼ばれ、シューズを脱いで裸足で走るという行為のため、自然主義を過度に信望してしまうことで全てを正しいとしてしまう影響を無視できません。

科学が必ずしも万能だとは思いませんが、物事を科学的に考えてみることは大切です。

ベアフットランニングの利点と欠点、メリットとデメリットをきちんと考慮された上で、始められることをお勧めします。

ベアフット(裸足)ランニングのトレーニング方法とは

ではベアフットランニングは、どうやって始めればよいのでしょうか。

もちろん、いきなりシューズを脱いで素足で走るのはお薦めできません。

靴下とシューズで守られてきて弱っている足の裏は、地面を踏みしめる衝撃に耐えられないため、ケガのリハビリどころか別の故障の原因になりかねません。

まずはベアフットランニングのフォームを理解して、トレーニング方法を試してみてはいかがでしょうか。

ベアフットランニングのフォームは通常のランニングフォームとは異なることを理解する

裸足で走る場合は、次の3つの点に注意してランニングフォームを意識的に変えなければなりません。

踵(かかと)ではなく指の付け根(母指球)で着地する

ランニングシューズを履いた普通の走り方の場合、踵から地面に着地します。

このとき地面からの衝撃が、かかと→足首→膝→股関節→腰に直接伝わっていきます。

ベアフットランニングは指の付け根(母指球)の辺りで着地して、着地の衝撃を吸収して減らすことがフォームの特徴の一つです。

重心を前に出して前傾気味に走る

ベアフットランニングでは上半身を前方に倒し気味にして、重心を前目にして走ります。

これは指の付け根から着地しやすくするためであり、足を前に出しやすくするためでもあります。

通常のランニングフォームよりは、短距離を走る際のフォームに近いかもしれません。

狭い歩幅(スライド)で足を出す

ベアフットランニングでは足の前方から着地するため、歩幅を狭くする必要があります。

踵から着地するフォームのまま母指球で着地しようとすると、バランスを崩しやすくなります。

踵を地面につけないように注意して、これまでのクセを修正しましょう。

ベアフットランニングのトレーニングはふくらはぎの筋肉を鍛えること

ベアフットランニングでは足の前方(指の付け根)で着地して踵は使いません。

地面から受ける衝撃を膝を使わずに、足関節だけで吸収しなければならないのです。

ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を強化することで衝撃を和らげることが可能になるので、ベアフットランニングのトレーニングは、ふくらはぎの筋肉の強化と使い方を覚えることが重要になります。

足首の柔軟性を高めて可動域を増やす

ふくらはぎの筋肉を有効に利用するためには、足首の柔軟性が高いことが大切です。

特に前後方向の可動域が少ないと、筋肉がついても着地の衝撃を吸収しきれなくなります。

トレーニング前だけでなく、日々の生活の中で足関節のストレッチをしておきましょう。

膝を使わずに足首だけで10 cmくらいジャンプする

足首のバネを感じながら、その場で軽く跳ねることを繰り返して、ふくらはぎを含めた足首周囲の筋肉を鍛えます。

無理に高く飛んで膝関節を使って衝撃を吸収しても筋トレにはならないので、足首だけで耐えられる高さのジャンプを繰り返します。

縄跳びなどを使って、リズミカルに行うことがお勧めです。

またこれらのトレーニングを行う際には、ベアフットランニング専用のシューズがあった方が良いでしょう。

ベアフット用のシューズを手に入れよう

もちろん裸足でトレーニングされても良いのですが、足裏が十分に鍛えられていない段階では、ベアフット用のシューズを履かれた方がケガの予防にもなります。

ネットで検索していただくと、数多くの種類のベアフット用のシューズが売られていることに気づかれるでしょう。

これらのシューズの特徴は、通常のランニングシューズに比べてソール(靴底)が、とても薄いつくりになっていることです。

靴底を薄くすることで、地面の感覚を足裏で感じやすくなるのです。

指先の分かれたタイプ(2本指や5本指)もありますが、感覚の違いから気持ちが悪いという方もいらっしゃいますので、量販店などで試着してみることをオススメします。

まとめ

この記事では、ベアフットランニングはケガや故障のリハビリやダイエットには効果があるが、タイムの向上やケガの予防には効果が薄いということを紹介しました。

芝生の上や砂浜を裸足で走るのは、とても気持ちの良いものですし、裸足で走ることで足の裏の感覚が鋭敏になり、多くの刺激を感じることができます。

足の裏には様々な効能のある「ツボ」が集中していますから、裸足で走ることによってツボが押されて健康増進効果もあるでしょうし、ストレスの解消にもなるのは確かです。

ただし経験を積まれたランナーの場合、特殊な走法であるベアフットランニングのフォームを取り入れることで、結果的にタイムが落ちたり故障につながってしまう危険性もあります。

ベアフット走法はマラソンや競技の成績を向上させるための手段ではなく、ダイエットやリハビリのための特別なものだということを理解された上で、チャレンジされることをお勧めします。

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